報道発表用資料

							平成7年7月25日


	    広島被爆50周年平和記念式典インターネット中継実験

		   -- ヒロシマ-ライブ プロジェクト --
			HIROSHIMA-LIVE Project

	  日時:平成7年8月6日 8:00〜18:30
	  主催:中国・四国インターネット協議会 (CSI)
	  共催:中国放送, ヒロシマ デー ラジオプロジェクト
	  協力:広島市, NTT, CTC, 日商エレクトロニクス, IIJ中四国, WIDE

1. 概要

  中国・四国インターネット協議会(会長 吉田典可 広島市立大学教授) は、平成7年
8月6日広島平和公園で行なわれる被爆50周年平和記念式典の模様を、映像・音声など
を交えたマルチメディア情報として世界に向けて発信する。計画では、平和公園の式
典映像、外国語音声による解説(英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語など)、文
字情報(英語)のマルチメディア情報を、インターネットを利用して中継する。この実
験は、多くの市民ボランティア、広島市などの協力を得て実施される。実験により、
ヒロシマの心を広く世界の人々に伝えるとともに、マルチメディアやインターネット
など新しい手法による情報伝達の効果を実証することができると考えている。

2. 発信情報

  発信する情報は、式典の模様を伝える映像(中国放送提供)、英語、スペイン語、ド
イツ語、フランス語などの音声による同時解説 (ヒロシマ デー ラジオプロジェクト
提供)、文字情報(英語) であり、これらを数台のワークステーションを利用して一斉
に発信する。文字情報では、式典の流れを示す解説、および広島市長の平和宣言など
を公開する予定。同時に、WWW (World Wide Web)サーバを通して各種関連情報の提供
も行なう。

3. 伝達手段

  情報の伝達には、インターネット上で情報を放送(すべての機器に対して一斉送信)
する機能が必要であるが、通常のインターネットの機能としてはサポートされていな
い。今回は、インターネット上で放送機能を提供するための実験ネットワーク MBone
を利用する。MBone はインターネット上に仮想的に作られた実験ネットワークで、現
在、世界30カ国以上が接続されている。MBone 上に送信されたデータ(動画像や音声)
は、MBone に接続されたすべての機器(ワークステーションやパソコン)でほぼリアル
タイムに受信できる。
  さらに、放送した映像、音声、文字は編集して WWWサーバへ登録し、全世界へ公開
する。 WWWサーバはインターネットに接続されたほとんどの端末から簡単にアクセス
することができるため、MBone に接続することができない多くの利用者へも情報提供
ができる。

4. 期待される効果

  被爆50周年という節目に、インターネットという新しい情報伝達手段を利用してヒ
ロシマの心を広く世界の人々に伝えることができることは意義深い。
  また、Mbone を利用した会議や講演会の中継実験はすでに行なわれているが、今回
は一つの映像に数か国語の音声、さらに文字情報などを組み合わせ、それぞれ別チャ
ネルとして送信することを試みる。これは、国際的なインターネット上での情報伝達
手段として大きな効果が期待できるとともに、テレビやラジオなどこれまでの放送媒
体では実現できない伝達手法でもある。本格的なマルチメディア通信時代に先がけ、
有意義な試みであると言える。

5. 実験形態 (別紙参照)

6. 本件に関する問合せ先

	相原玲二 (広島大学 総合情報処理センター)
	TEL 0824-24-6258  FAX 0824-22-7043
	Email 86live@csi.ad.jp


7. 実施計画

担当責任者

	統括     相原玲二 (広島大学, CSI)
	広報・渉外  前田香織 (広島市立大学, CSI), 青木裕 (NTT, CSI)
	中継技術   西村浩二 (広島大学), 寺内睦博(広島市立大学)
	WWWサーバ 染岡慎一 (安田女子大学, CSI), 有川正俊 (広島市立大学)
	文字情報   椿康和 (広島大学, CSI), 廣光清次郎 (広島修道大学, CSI)
	会計     小関祐二 (広島工業大学, CSI)

			※ CSI --- CSI運営委員

機器等の調達
   
期間  : 平成7年7月28日(金) -- 8月7日(月)
           *すべての機器、回線の提供期間
場所  : NTT基町ビル内会議室
映像  : RCC中国放送制作映像
音声  : ヒロシマ デー ラジオプロジェクト (RCC中国放送スタジオからボラン
         ティアの外国語音声実況)
	     英語, フランス語, スペイン語, ドイツ語, ポーランド語または
	     ポルトガル語
回線  : インターネット接続用 :
             1.5Mbps高速ディジタル回線  NTT <-> CSI 東広島NOC(広島大学)
		協力:NTT
         音声取り込み用 :
             アナログ回線  NTT <-> RCC  5本
             	協力:NTT
機器  : 通信機器
             ルータ Cisco2501 1台
             	協力: IIJ中四国
	     接続機器類
             	協力: WIDEプロジェクト
         ワークステーション
             Sun SPARCstation 20 (または互換機)	6台
             機器接続用 EtherSwitch		1台
             搬入、搬出、初期セットアップを含む
             	協力: CTC、日商エレクトロニクス


準備経過と予定

  6月12日 (月)  於 広島市立大学    広島市広報課, CSI
                     8/6のインターネット中継の方針について打ち合せ
  6月19日 (月)  於 広島市立大学    NTT, CSI 
                     回線接続に関する方針について
  6月21日 (水)  於 NTT広島支店     NTT, CSI 
                     回線接続に関する技術打ち合せ
  6月28日 (水)  於 NHK             NHK,RCC,NTT,広島市, CSI  
                     映像、音声、回線提供に関する合同技術打ち合せ
  7月14日 (金)  於 広島大学(東千田)
                     詳細プラン作成と関係者の合同打ち合せ
  7月28日 (金)  於 NTT基町         NTT, CSI, 機器提供企業  
                     機器搬入
     28日
      |         接続試験
  8月 5日        
  8月 6日 (日)  中継 (8:00-8:30)
		録画再生 (10:00-10:30, 12:00-12:30, 14:00-14:30,
			  16:00-16:30, 18:00-18:30)
  8月 7日 (月)  機器撤収 


8. 資料

     中国・四国インターネット協議会(CSI)の概要

1 設立目的
  中国・四国地域における計算機ネットワークの相互接続と、国内外の計算機ネット
 ワークとの相互接続に必要とされる基盤構築のための地域活動の推進を図るため
2 活動
(1)会員の計算機あるいは計算機ネットワークを外部接続するための保証ネットワー
  クとしての維持・管理
(2)外部ネットワークと協調の上、会員と外部ネットワークとの相互接続の維持・管
  理
(3)会員間のネットワークを利用した情報交換
(4)ネットワークの利用接続を中心とした技術の研究・開発及び普及の推進
(5)地域コミュニティにおけるインターネットの健全な発展、普及の推進及び各地域
  間ネットワーク接続の調整
3 設立時期
  1993年3月26日
4 会 長     吉田 典可  広島市立大学情報科学部教授
5 会員
   正会員  33組織
   準会員   1組織
   賛助会員 15組織
  (1995年2月現在)
6 連絡先
   中国・四国インターネット協議会 事務局
	(広島工業大学 電子計算機センター内)
	電話:(0829) 21-3121 (内線762)
	FAX:(0829) 23-1416