授業外でのインターネット利用
〜学校における望ましい緊急連絡メールシステム実証実験〜
CSI個人会員 平井ひづる
(広島市立井口明神小学校)
|
広島市の全小学校には校内LAN が整備され、ブロードバンド接続も実現しました。この環境を授業だけでなく日常的に活用する方法として、携帯電話とインターネットとの連携をしていきたいと考えていました。
隣接校区での不審者出没などで、児童を緊急に集団下校させ帰宅後は外出を控えるよう指導することがありましたが、下校時に保護者不在の家庭では、持ち帰る通知文書を目にするのも、電話連絡網で注意事項が伝わるのも、夜になってからです。そこで緊急時の連絡に携帯メールを利用できれば、外出中の保護者に情報が迅速に伝わり便利ではないかと考え、希望者全員にBCC を使っての一斉送信を試みました。アドレス登録作業に時間がかかりましたが、全員への一括送信は失敗に終わり、分割送信を繰り返さざるを得ませんでした。もっと実用的で使いやすいメール連絡システムが実現できないものだろうかと考えていたところ、このたびCSI の個人会員企画募集という機会を得て、実証実験できることになりました。
|
このシステムでは図のように、利用者が直接システム側に自分の携帯メールアドレスを登録・変更をします。送信側は、専用Web ページやメールソフトを使って登録アドレスにメールを一斉送信します。送信者は利用者がメールを確認したかをWeb ページやメールによって確認できます。
このシステムによって送信作業はとても簡単になりました。実際の利用例ですが、登校後にインフルエンザによる欠席者数が多いため「下校時刻が早まる」という連絡を該当学級で行いました。固定電話連絡網は留守宅が多く十分機能しませんでした。この時登録者には携帯メールにもその旨が配信されましたので、学校は未開封者を確認し個別に電話連絡をし、すばやく確実に伝えることができました。また、学校では各教室から外部へ電話をかけることができませんが,このシステムでは学級担任が教室を空けることなく各教室の校内LAN のコンピュータからメールで児童の保護者と個別に連絡を取ることもできました。PTA 執行部の方を管理者に加えることにより、PTA の連絡でも使うことができました。
|  |
今回の実験は、こういった便利なシステムの存在を教職員や保護者が知り、保護者の意識調査をしたり、本格的に導入する方法をPTA で考えてみたりするきっかけとなりました。ご支援に感謝します。
|