インターネットの本質への回帰を目指して | |
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 |
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Live E! プロジェクト(http://www.live-e.org/)は、地球環境に関して組織ならびに個人が生成するディジタル環境情報を、自由に、かつ自律的に流通・共有ならびに加工可能な、ディジタル情報に関する「コモンズ」の環境を作り出すことを、その本質的な目標としています。 ディジタル情報は、このような情報基盤の形成により、利用者と利用法に依存せず、再利用と流通が促進されることになります。このような考え方は、インターネットの父とも呼ばれているCNRI社長のRobert Kahn博士との会話の中で、「インターネットは論理的なアーキテクチャであり。ディジタル情報の自律的な流通と選択肢(Alternatives)の提供がインターネットの本質である」とのコメントをいただき、意を強くさせていただきました。 ディジタル百葉箱は、情報の生成が種々の組織と個人から行われ、これがいろいろな形(公共サービス、教育、ビジネスなど)で利用可能となる、象徴的な活動であるとの認識を持って、多くの方々からのご理解とご協力のもと、推進させていただいております。特に、中国地区の皆様方の精力的なご協力には、深い感謝と尊敬の意を表させていただければと存じます。 | |
さて、最近、キャリアのサービスを IP技術を用いて統合化するNGN(Next Generation Network)の議論が精力的に進められています。 All-IPを特徴とするNGN は、インターネットアーキテクチャから観た場合に、どのようなものなのか?我々インターネットの創成に関わったもののNGNに対する責任はどのようなものなのか?筆者は、我々は、インターネットの"心"、すなわち、インターネットの論理的なアーキテクチャとその実装 に立ち返り、NGNへの考察を行う必要があるのではないかと考えます。筆者にとって、NGN では、IPは単なる実装技術であり、アーキテクチャは、必ずしも"インターネット"の構造と運用とは同一のものとはならない可能性を持っているように観えています。 |
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「ディジタル情報が、グローバルレベルで、自由にかつ自律的に流通し、利用者と利用法に依存せず、かつ、ディジタル情報の伝達と流通に関して選択肢を提供可能にすること」が、インターネットの本質であり、インターネットが成功した本質的な理由であることを、再認識する必要があるのではないでしょうか。 筆者は、Live E! プロジェクトの活動が、これを証明する、プロジェクトとなることを願い、ますますの皆様のご協力とご支援、ならびに、ご指導をお願いするしだいでございます。 |
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