CSIはもうすぐ設立10年周年を迎えます。これを機会に、設立当初の数年間を振り返ってみました。
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【設立当時の情報通信環境】
1993年当時は、インターネットはもとより携帯電話もWindowsも、一般に利用される存在ではありませんでした。ワープロもTeXを使っていた人が多かったと記憶しています。参加組織との接続は、64Kbps以上の「高速」ディジタル回線に加えて、SLIP(Serial Line IP)やUUCP(Unix to Unix Copy)も使われていました。インターネットへの接続はWIDE(64Kbps)でスタートし、WIDEとの回線の高速化(512Kbps)やSINET(6Mbps)との相互接続の開始によって、バックボーンが大幅に増強されたのは94年後半以降です。
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中四国インタネットシンポジウム
(1993年1月広島市) |
【イベントの展開】
最初の数年間、CSIではフォーラムやシンポジウムの積極的な開催を通して、地域におけるインターネットの普及・啓発に力を入れていました。広島が中心でしたが、地元関係者の協力により、当時まだ珍しかったWWWのデモを目玉にして、松山(94年)、高知(95年)、松江(96年)でも実施しました。93〜95年度でのこれらの催しへの参加者数は延べ1,500名近くになりました。そして、全国からインターネットの運用管理に携わる技術者を迎えて、96年12月にIPMeeting'96を広島で開催することができました。これらのイベントは主に冬場に行われ、「雪」が絡むことが多くなりました。IPMeetingの時も12月にしては珍しく雪が積もり、参加者の方々はその後もCSI=雪という印象を残されたようです。
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【事務局問題】
組織運営に関する悩みとして当初からついて回ったのが事務局でした。組織が増え、CSIの活動が活発になるにつれて業務量がどんどん増え、事務局の強化が必要になっていきました。場所についても、設立当初のSES(松山)を振り出しに、広島工業大学、広島市立大学、広島修道大学と転々とせざるを得ず、NPO法人化を機会に、ようやく現在の場所に落ち着くことになりました。
人類が史上初めて経験する地球規模の情報ネットワークの展開は、この時期、世界中で進められていました。その活動の一端に参加して、皆さんと経験を共有できたことは、私にとって非常な幸せです。
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