広島地域IPv6推進委員会

〜インターネットの普及活動Again〜

理事・副運営委員長 前田香織
(広島市立大学 情報処理センター)


  現在のインターネットで使用されているIPv4のアドレスの枯渇が話題になったのは1990年代の中ごろで、次世代インターネットプロトコルとしてIPv6(IP バージョン6)の開発が始まりました。一方でセキュリティ対策を主な目的として、プライベートアドレスやNAT(Network Address Translation)などの技術が多用され、アドレス枯渇に関する危機感が薄れたことも影響し、IPv6の普及は必ずしも当初想定されたペースでは進んでいません。しかし、IPv4アドレスの枯渇は着実に進んでおり、2006年3月に社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)から「IPv4アドレス枯渇に向けた提言」という報告書が公開されました。この中でIPv4アドレスの割り振り・割り当てはそう遠くない将来において終了す ることが明示されています。また、「新しいIPv4アドレスが割り当てられないことから、 IPv4を基盤としたインターネットの成長は停止あるいは縮退していくことになる。」と述べています。
こうした現実を踏まえ、2005年7月に「広島地域IPv6推進委員会」(委員長:前田香織)を設立しました。本委員会はIPv6の技術的課題を検討するとともに、広島地域においてIPv4からIPv6への移行が確実かつ円滑に行えることを実証し、IPv6の導入および普及を推進することを目的としています。委員会は委員会の設立目的に賛同する自治体、大学、企業より構成され、CSIと連携して各種実証実験を企画立案・実施していくことで当地域でのIPv6の普及を図ります。平成17年度は総務省IPv6移行実証実験に参加し「学校間映像配信実験」を実施してIPv6の技術的な優位性を示すとともに、IPv6を身近に感じるためのIPv6コンテンツの充実を図りました。詳細はSuperCSI 技術委員会の報告書「SuperCSI活動報告2005」やホームページ http://www.supercsi.jp/ipv6deploy/をご覧ください。(写真上はIPv6を用いた広島大学附属東雲小学校と広島市立白島小学校間の遠隔授業風景、写真下は広島市こども文化科学館でのコンテンツ収録場面)
IPv6の普及の活動をしていると、現インターネットが普及し始めた1990年頃を思い出します。「IPv6って何?」「IPv4よりいいことある?」「つながる相手がいない」という声があちこちから聞こえてきます。IPv4がここまで生活に浸透している現状を考えると、IPv6への移行はIPv4の普及以上に時間がかかるかもしれません。地域のみなさまのご支援をお願いいたします。




CSI役員・運営委員 (2006年5月22日現在)

理事長 椿 康和
副理事長 相原 玲二、染岡 慎一
理  事 片山 博昭、小関 祐二、土肥章裕、西村浩二、前田 香織、前田 真理、吉田 典可
監  事 石永 正隆、大場 充
運営委員 相原 玲二(委員長)、前田 香織(副委員長)、今井一雅、上野 優香、田島浩一、
玉井 基宏、西村 浩二、野村玲子、匹田篤、前田真理、松川正義

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