
CSI ネットワークマスター 虎の穴 第8回
テーマ |
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『Web2.0マスター編』 |
演目 |
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Double Rainbow 〜インターネットとWeb2.0〜 |
講師 |
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法林 浩之氏 |
演目 |
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Web2.0::これからのIT事業の姿 |
講師 |
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エマーソン ミルズ氏 |
第8回 開催を終えて 〜レポート&開催風景〜
4月9日(月)に、「CSI ネットワークマスター 虎の穴 第8回」を広島市まちづくり市民交流プラザ にて開催いたしました。第8回は2007年度最初の技術セミナーとして、昨年度の同セミナーアンケート で最も希望が多かった「Web2.0」をテーマとして講義を行い、約40名の皆様にご参加いただきました。

第1部は、日本UNIXユーザ会 副会長 法林 浩之氏より「Double Rainbow 〜インターネットとWeb2.0〜」と題し、Web2.0の定義、歴史的背景などをご解説いただきました。
法林氏が所属しておられる日本UNIXユーザ会(以降、jus)は、今年で創立25周年を迎える日本で最も 古いコンピュータ業界団体として知られております。そこでjusの活動を振り返りながら、Web2.0へ 至る過程をご解説いただきました。
・80年代後半〜90年代前半 「インターネット時代」
-1994年ぐらいからインターネットが一般に普及し始める。
・90年代後半〜2000年代前半 「オープンソース時代」
-2000年ごろにオープンソースを使った開発が一般化する。
・2000年代中頃〜 「Web時代」
-2004年頃からブログが普及し始める。
インターネット時代には、様々なアプリケーションに専用の「プロトコロル」「サーバ」「クライアン ト」があった点を振り返り、この10年で淘汰が進み、HTTPとWebインターフェースに統合されつつある という点をご説明いただきました。そして、そのような歴史背景をふまえ「Web2.0」について以下の ようにご解説いただきました。
Web2.0とは?
「Webのプラットフォーム化と、その上に形成されるさまざまな情報流通のしくみの総称」及び、
「それに関する一連の動きや今後の方向性を表すもの」である。

また、Web2.0に影響を与えたものとして、「インターネット」「オープンソース」「XML」「Lightweight Language」「アプリケーションフレームワーク」を挙げ、ご説明いただきました。
最後に法林氏はご自身をインターネット時代の人間だとし、「インターネット時代は、インターネット に何か無限の可能性を感じた。ナナロク世代と呼ばれるWeb時代の人たちは同じような感覚でWebの世界 に無限の広がりを感じているのではなかろうか。」と、Web2.0への期待感を述べられました。
第2部は、アマゾン ジャパン株式会社 ウェブサービス日本担当 エマーソン ミルズ氏より、
「Web2.0:
:これからのIT事業の姿」と題し、よりサービスを掘り下げた視点でWeb2.0についてご解説いただきま
した。
始めにエマーソン氏は、Web2.0について「技術でもあり、考え方でもある。」と述べ、以下の3つの ポイントをご解説いただきました。
・ユーザに主導権を戻す
・出版という概念を脱却
・コミュニティとの共存
特に、Web2.0の基礎概念として「コミュニティ」の重要性にふれ、「ユーザは会社の一部である。」な どとご説明いただきました。Web2.0においては主導権はユーザが握っており、事業者と開発者はその枠 を提供する立場であると考えておられるそうです。
また、Webサービスを提供する際のユーザとの接し方については、「ユーザを待たせない」という点が 最も重要であり、以下3つのポイントを意識されているそうです。
・ユーザは数十秒で飽きてしまい、サイトを去る。(飽きられないサイト構築)
・目的達成までのクリック数。
・店舗もサイトも迅速な対応で勝負。
ちなみに、1クリックする/しないの差でユーザのサービス利用に2割くらいの差が出るのだそうです。

次に、技術的な側面として以下の3つのポイントをご解説いただきました。
・クライアント端末の性能を利用
・インタプリタ型言語
・標準技術利用による互換性
Webはプラットフォームであり、インターネットやWebブラウザはOSの代わりとなりつつあるのだそうです。
サービスの差別化という点については「競争ではなく、協力するべきある」という考えに基づきご説明 いただきました。差別化しようとすると、競合相手との競争にコストを使ってしまい、ユーザを見なく なる事態に陥りやすいのだそうです。それでは本来目指すべき差別化は当然行えません。そこで、Web サービスに取り組むにあたり、競合相手との競争を優先的に考えるのではなく、いかに周囲と協力体制 を築き自分の専門分野に特化できるかという点が、Web2.0的なサービスのポイントであると最後にまと められました。

今回は、初めての試みとしてセミナー終了後に講師、参加者の方々を交えた交流会を行いました。 参加者の皆様にとっては講師の方と直接お話しをする良い機会となったようです。
次回のCSI ネットワークマスター 虎の穴 は情報セキュリティマスター編として「ボットネット」につ
いての講義を7月中旬に開催予定です。詳細が決まり次第本サイト上でお知らせいたします。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
お問い合わせ先
CSI事務局 セミナー担当:池上
セミナー専用Tel:090-7772-5114 (受付時間 平日10:00-18:00)
e-mail:seminar-sec[at]csi.ad.jp
